秋田駒ヶ岳

2022年10月30日(日)

メンバー:奥本(ソロ)

天  気:曇り

活動時間:3時間55分(内休憩20分)

行  程:10:20国見温泉登山口→11:45横岳→12:10男女岳(秋田駒ヶ岳)→14:15登山口

国見温泉には2つの温泉宿があり、下山後、駐車場に近い石塚旅館の日帰り温泉に入った。温泉はエメラルドグリーン。硫黄泉だがなにか違う。草の香り?がする。春先の青く芽吹く草。草原を寝転がって回転したときに嗅いだ草の香りのような。木の壁1枚向こうから女性と小さな子供の声がする。懐かしい、目をつぶると銭湯のような情景が浮かぶ。関節痛に効能があるというのでしばらく温浴。血行が良くなる。股関節痛は少し和らいだが膝痛は増す。
一時して浴室を出て着替えていると、ほんの5分程前に入ってきた男性がもう風呂を出て着替えだす。「ずいぶん早いですね」『次に行くところがあるので、急いで出ないといけないんです』「どちらへ?」『どこかはわからないんです』「?」『昨日は乳頭温泉に泊まったんです』『今日はここに来る前はどこだっけかな、茶色い温泉で…』「玉川温泉かな?松川?このへんだと南玉川ってのもあったっけかな」「どこから来たんですか」『京都から秋田空港に降りてレンタカーで回ってるんですが、次にどこに行くか知らないんです』『全部妻が決めてるんで』「ミステリーツアーのようですね」その人は急いで着替えて出ていった「よい旅を!」

秋田駒ヶ岳は景色の良さが売りだがこの日は曇りのち霧のち雨、強風。横岳への上りの焼砂走りで足を取られ強風に煽られ寒くそこだけしんどかったが、あとはスピードを緩めることなく2時間弱で登頂。人気もなく寒く景色もないのですぐ降りて避難小屋で食事を摂る。ピストンで下るつもりだったが、先客の女性二人組によると「ムーミン谷の方は風もなく歩きやすい」との話だったので阿弥陀池を経由して急登を逆に下る。なかなか危険な下りで危うく転びそうになる。ムーミン谷は霧に包まれ景色は見えないが、地形から、晴れていれば美しい谷間、湿地だろうと容易に想像できた。横岳からの分岐に合流し稜線上を足早に歩く。ふと明るくなる。頭を隠した女岳の中腹、そこから緩やかに広がる山裾がきれいだ。ここはもしかしたら雪山で登ったらきれいなのではないかな、と妄想する。再登を心に誓う。

この日は朝の5時に家を出て6時半には岩手山を横目に見て車を走らせていた。今日は久しぶりのソロ登山だな、と考えていてふと忘れ物に気がつく。登山靴を入れていない。しかも今日はクロックスを履いてきてしまった。”あぶない刑事”ばりに車を急旋回し(という妄想)、引き返す。8時過ぎに帰宅し、近場に変更しようかとしばし逡巡するもやはり計画どおり秋田駒ヶ岳に行くことを決意。10時過ぎの駐車場は満車で、今にも雨が振りそうな空模様。気分は最悪だったがすべてを取り戻すように木道を駆け上がっていった。