「山行記録」カテゴリーアーカイブ

月山BC(ソロ)

2023年5月20日(土)霧、晴れ

山行者;JOE

行  程:9;00リフト上駅→11;50月山山頂→14;12リフト上駅→14;40駐車場


2年前から行きたいと機会を狙っていた月山。会長を誘ったところ、山開きの準備で土日は焼石岳に行くとの返信があり、一度は諦めたのだが、ミッシェルさんに情報もらっているうちにやっぱり行きたくなった。雪山には複数人で行くことにしていたのだが、この半年で氷上山、白根山と雪山ソロ登山したことで少し自信がついていたことや、一人で無茶やってる人を見ていると、ボーダーを超えていく必要もあると考え出していた。

【2年前、最初に入った栃木の山岳会での山行の回想】

唐松岳山頂で写真を撮りながら仲間を待っていた。

雪山は谷川岳、那須岳で少し慣れて、唐松岳は3回目。夏場に北アルプスなど高山や長時間登山で体力はそこそこ自信があったので仲間がどんどん遅れていく中、しっかり先頭に着いていき、最後はストックをピッケルに持ち替え緊張とともに細い道を登る。ついにその時は来た。左に五竜岳、前方に劔岳が見える。ダイナミックな冠雪山岳が目の前にそびえる。めっちゃ感動した。皆笑顔だった。山頂にいるすべての人が笑っている。何枚も写真を取っていて、ふと後ろを振り返ると仲間の一人がようやく山頂にたどり着いたところだった。僕らに気が付き、ホッとしたのか表情が緩み、次の瞬間「うえ~ん」泣きだした。ここにたどり着くまでに何度も足をつって、何度も諦めかけて、でもずっと前から行きたかった唐松岳にやっとこれたのだと、鼻水垂らしながら話していた。僕らはその顔を見て「そうかそうか、よかったな」と言いつつ笑っていた。その姿を見てその女性は少々むくれていたっけ。

そんな記憶を、月山山頂につき雲海を見ていて思い出していた。自分も今日足をつった。しかもふくらはぎと太ももの裏の2箇所を同時に。スキーブーツは足首が自由にならないので痛みが収まるまで時間がかかる。体感では2〜3分くらい。その後その場に座り込み、芍薬甘草湯を飲む。10分くらい休んでザックとスキー板をデポすることを決め、単身で山頂を目指す。なんとしても山頂には行きたいとの思いだった。痛みは引いたが、ふくらはぎは少しの負荷でまた攣りそうな感覚がある。だましだまし、いなしながら一歩一歩慎重に歩を進める。登山靴だったらなんでもない道がとてつもなく険しく思える。長かった。山頂につくと、リフト上駅で仲良くなり、尾根まで一緒に歩いてくれた静岡から来た4人組が待っていてくれた。胸に熱いものがこみ上げる。「おまたせ」というと皆で笑顔になる。そのうちの一人が、向かって左側の谷筋を指さしながら、「少し前までここ景色が綺麗だったんだよ〜」と言う。そこには雲が湧いていた。温かい言葉をかけてもらい、写真を取ってくれる。山頂標識を持って鎖を首にかけて囚人のようなロッカーのカッコをしておどけて見せる。「いいセンス」と褒められる。いい人たちだ。

雲海もすごい。この中を歩いてきたのだと知る。

彼らと別れ、山を降りる。腹は減っているが食料はデポしたザックの中だ。必然足が早まる。月山神社から下る道で足を捻った。瞬間、さっきとは逆の足のふくらはぎが攣った。疼痛!グオッと叫んでしりもちをつく。あとから登ってきた人は誰も話しかけもしてこない。こういう人達もいるらしい。なおさらさっきの4人組の優しさが心に染みる。

ザックを回収し雪道にたどり着きスキー板を装着し滑り出すもやはり各所の筋肉が攣りそうな感覚があり小回りターンができない。パラレル、斜滑降で標高を下げ、トラバースで直線的に滑り降りた。最後のリフト駅前で、下り過ぎに気が付きハイクアップしなんとかスキー場に戻った。

栗駒山からドゾウ沢 山スキー 2023/03/21

アプリ Geographica より引用

この日は会の4人で行ってきました。 気温が高すぎて雪がなくなりそうで、昨年は4月初旬に行って、それなりに滑れたのですが、今年は早めに、条件のいい日に行ってきました。 天気は雲が多いながら晴れ、気温は山頂でもプラスで、風はごく弱く、雪はザラメで、時折、妖怪板つかみが出現しました。 ドゾウ沢は、昨年4月初旬よりもかなり雪が少なく、下の方の急斜面では全層雪崩も見られ、もはやシーズン終盤という感じでした。

08:10 裏掛けコース登山口 駐車スペース
09:20 いわかがみ平
11:10 栗駒山山頂
11:50 東栗駒稜線付近 昼食
12:40 1220mピーク
13:30 新湯沢 裏掛け登山道 渡渉地点
14:00 裏掛けコース登山口 下山

登りは、いつもの雪山ルートで山頂を目指します。 天気も展望もよく、暑いくらいでしたので、順調に山頂に到達。 鳥海山や月山も見えて、しばし大パノラマを堪能しました。

山頂からドゾウ沢までの雪面は快適に滑れて、振り返ると真っ白な栗駒山があって、今年もこんな中を滑れて嬉しかったです。

ボケボケです🙇‍♂️ ちょー速い❗️
ボケボケです😞 雰囲気は分かるかと😅

ドゾウ沢に入る尾根筋付近でお昼ご飯にして、少しトラバースして、ドゾウ沢を拝見。雪は少なく、地面が顔を出しているところが結構ありました。 雪に板を掴まれるところもあるので、少し滑ってから横にトラバースして、1220mピーク手前のコルまでちょっと滑り、ピークまで板を担いで登りました。 そこからは相変わらずの大展望が広がり、最高でした。

緑線は滑った軌跡です この角度だと壁みたいですね!

さて、ここからはツリーラン。今年は、もっと下まで滑ってから沢を渡ろうということで、緩やかな尾根沿いに下って行きます。板つかみも出ずに、快適に滑れました。 そして、沢が見えると、対岸に裏掛け登山道のトイレ跡が見えて、雪は繋がってません。ほぼ裏掛け登山道の渡渉付近に出ました。もう少し上の方が良かったかもしれません。 急斜面を下り、渡れるところを探しますが、結局、時折深い落とし穴付のビミョーな岩伝い渡渉となりました。 なんとか渡って、あとは、斜面をつぼ足で登り、冬限定のショートカットを伝って、駐車場まで帰ってきました。 最後は苦労しましたが、あとは楽々で、景色も素晴らしかったです。

安達太良山

2023年3月12日(日)
メンバー:ロッシー、エミリー、モーリー、ジョウ
天  気:薄曇りのち晴れ
行  程:8:00登山口→9:15薬師岳→10:40安達太良山→12:15くろがね小屋→14:20登山口

集合時間を少し過ぎて電話が来た。その人は、「道に迷っている」という。「細い道をどんどん山の中に入っていき、怖い」「どこを走っているのかわからない」と。午前5時はまだ夜だ。ヘッドライト頼りではあるが、高速の入り口に来るのに迷うなんて俄かには信じがたい。「絶対寝坊だよね」とジョウがふざけて言う。「まあ、素直に寝坊と言えば許してあげるのに、山道に迷い込んだ、なんてねえ」と続ける。
14分遅れてその人はやってきた。「Googleの指示どおり来たのに変な道に誘導された」のだそうだ。隣でロッシーさんが「Googleはね~時々変な道を指示するんですよ~」、と緩い感じでフォローしている。“やさしい!”。「それで?ほんとは寝坊なんでしょ?」とジョウ。他の2人は笑っていたが、当の本人はむくれている。

予定より若干早く安達太良山スキー場の駐車場に着く。車は3~40台くらいだろうか。リフトは動いていない時間なので、ほとんどが登山者だろう。早速準備をしてスキー場の端を登っていく。“暑い”。早々に上着を脱ぐ。モーリーさんの「Tシャツにすればよかった!」の言葉にフル同意。ほんの数十メートル歩いただけでもう汗が出始める。雪が溶けだし、足元が滑るのでひとりチェーンスパイクを履く。

一時間ほどで薬師岳山頂に着く。山頂直下は少々急登でだいぶ汗もかいた。雪山では極力汗をかくべきではないが、それにしても今日は暖かく、“ミレーのアミアミ一枚になりたい”ところだが、“アミアミはちょっとセクシーすぎて彼女たちには刺激が強すぎるかな”。

薬師岳には「本当の空はこの上にあります」の碑があった。薄曇りのこの空は、確かに本当の空に違いないだろう。しかし「本当の青空は自分の心の中にあるんだよ」とつぶやく。誰もクスリともしない。

薬師岳山頂からは、安達太良山山頂からのびるなだらかな雪面が見える。エミリーさんがいくつかのピークを指さし「あれが山頂かな~」とはしゃいでいるが、「山頂はあの乳首みたいないぼのような山ですよ~」。「はいチクビー」でパチリ。相変わらず笑いは起きない。今日はさえない。この薄曇りと同じだなと、寂しく思うのだった。

安達太良山までの道は楽そうに見えたが、勾配がきつくなって、なかなかしんどい道のりだった。ただ木がなくスキーゲレンデのようで個人的には滑りたくてうずうずしていた。山頂までのわずかな斜面を私はトップで登っていく。

山頂直下でアイゼンを履いていると後続が追いついた。ロッシーさんはアイゼンを履くまではないと思っているようだったが、「せっかく持ってきたんだから練習です」と号令をかけてくれた。私とモーリーさんはピッケルを用意して“いざ安達太良”だ。山頂には10人くらいいて、互いに写真を撮りあっていると、突如ヘリが頭上で旋回して何かアナウンスしている。我々への注意喚起のようだった。

振り返ると、青空とイワイワとした山頂が見える。「あ~きれいだな~」自然と言葉が出てくる。皆、名残惜しくて下りながら何度も何度も振り返る。風がない日は珍しいらしい。時が止まったようだ。青い空と白い山肌とごつごつした山頂。「ここは天国だ~」。

私は、久しぶりのアイゼンの感触がうれしくて両手を空に突き刺したり縮めたりしながら斜面を飛び跳ね下っていった。エミリーさんがゲラゲラ笑っている。


山頂が見えなくなってしばらく行くと、山小屋が見えた。くろがね小屋だ。この3月末でいったん閉鎖して建て替えるらしい。女性二人が歓喜の声を上げる。ここが本当の目的地だったのだ。小屋の中は休憩する人で満席だった。建物はしっかりしているので本当に改築する必要があるのだろうか。皆そう思っているようだった。

名残惜しかったが、くろがね小屋を出てツボ足で歩を進めるも、急斜面のトラバースでアイゼンを履く。落ちたらシャレにならないからだ。それでなくても今日は笑いをとれないのだから。これ以上すべるわけにはいかない。

その後、安達太良山から鉄山への稜線が見える分岐点で小休憩。「あのごつごつしたのは溶岩が固まってできたようですね」「羊蹄山が同じような山なんですよ~」とロッシーさん。「へえ~そうなんですか~、知らんけど」とジョウ。ロッシーさんが笑いながらわき腹をつつく。

そこからの下りはただただ長かった。スキー場のアナウンスが聞こえてもなかなかゴールは見えない。私は下りが嫌いだ。股関節が痛いからあまり早く歩けないし、単調だしつまらない。その点バックカントリーはいい。滑って下りたらあっという間だもの。

登山口まで戻ってきて温泉「奥岳の湯」に入り帰路につく。安達太良山はよい山だったなあ。